ご依頼ありがとうございます!
こんにちは、tailです。
今回は、叔母の勤め先のオーナーさんに大きめの鞄をご依頼いただいたので、記事にまとめていきます。
今までで1番大きな制作物だったので、4記事くらいに跨ぐと思います。ごゆっくりお付き合いいただけると嬉しいです!
型紙を作る
今回作る鞄は、
・床に置いた時に自立し、シワがよらない
・内袋に仕切りを一つつける
・内ポケットを3つほどつける
・なるべく傷が目立たない革で作る
・シルバーのメタルファスナーで閉じる
などなど、何度か打ち合わせをして決めた条件で作っていきます。
デザインはご本人と革を見に行って相談し、リオショルダーとアリゾナレザーの切り替えになりました。
寸法等も決めて、パーツ割りはこんな感じにしました!☟
(いつも手書きで見づらくてすみません💦)
ところどころ修正しつつ、これをもとに型紙を作っていきます。
外袋の作り方
革の切り出し
型紙ができたら革に写し、まずはリオショルダーのパーツを切っていきます。
切り替えの上の部分のパーツを切ったところです。後々縫う線などもこの時点でつけておきます。
こちらは、持ち手とジッパーに使うために幅2.5cmのレースを切り出したところです。
ストラップカッターがないので、代わりに水平方向にも目盛りがある定規を当てて幅2.5cmの印をつけ、金尺とカッターで切りました。綺麗に切れてよかったです。
縫い穴開けと縫い代の漉き作業
単体で写真を撮るのを忘れてしまいましたが、アリゾナレザーもずんぐりむっくりのHのような形に切り出し、先ほど切ったパーツと縫い代の表同士を貼り合わせます。
仮止めにはナイスタックの弱粘着タイプを使ってます。商品名の通り、程よく粘着力が弱くて便利です。
いつものように4mmピッチの菱目打ちで穴開けをし、縫い代を折り返した時表に響かないよう、ペディナイフで端を漉いていきます。縫い代の幅1cmと、折り返す幅1cmで2cmくらいを漉きました。初めての試みだったので、どれくらい漉けば十分かわからずずっと作業してました(笑)
いつか家庭用の革漉き機も使ってみたいです!
角の他の縫い代と重なる部分は、気持ち余計薄めに漉きました。
折り返しの目安になるよう、端から2cmの位置に目打ちで線を引き直します。
キットに入っていた目打ちは先をつぶしてしまっていたので、やっと新しいのを買いました。ダイソーのやつなんですが、キャップもついてるし細くて使いやすかったです。
底の短辺になる部分も、両面テープと仮止めクリップで固定して縫い穴を開けます。
ここも内側に響かないよう、穴開けの後に漉いておきます。
切り替えの縫い合わせと側面の穴開け
下準備が済んだら、いよいよ切り替え部分を平縫いで縫っていきます。ずれないよう仮止めクリップで留めながら縫いました。
隠れる部分ですが、それでも縫い目が揃うと嬉しいです☺️
ローラーで縫い代に開きグセをつけてから、接着剤をつけて圧着します。
切り替えを縫い終わったので、側面になる縫い代も両面テープで仮止めして縫い穴を開けておきます。菱目打ちで糸を切らないよう、先ほど縫い合わせた部分は飛ばして穴を開けます。
裏返すとこんな感じ!突っ張ったり縫い代の段差が響いたりもあまりなく、綺麗に仕上がってよかったです。
持ち手部分の処理
最初に切り出した2.5cm幅のレースは持ち手やジッパーの部分に使うので、トコ面(裏面)とコバ(側面)を毛羽立たないよう処理しておきます。
まず、トコ面にトコフィニッシュを塗り広げ、アクリル板で繊維の方向に磨いていきます。アクリル板はガラス板の代用で、セリアのペン立てを買った時についていた仕切りなんですが、角も取られているしサイズも絶妙に使いやすくて愛用してます。
写真に綿棒が写ってますが、繊維が抜けるので結局指で取ってました。後でよく手を洗いましたが、おすすめはできません💦
下が処理前で、上が処理後です。仕上がりが一目瞭然ですね。
トコ面が乾いたらコバにヘリ落としをかけて、水→トコフィニッシュをつけて帆布で磨きます。手で触って引っ掛かりがなくなるまで磨きました。
右が処理前、左が処理後です。反射で少しわかりづらいですが、角がとれて艶が出ていると思います。
PPテープを型紙につけて実際に肩にかけてもらい、持ち手の長さは66cmに決定したので、角尺と目打ちでその印もつけておきます。
芯材と持ち手の接着・縫い付け
次に、芯材と持ち手をつけていきます。後でへり返しをしやすいよう、鞄の口の部分も漉いておきます。
底面の大きさに芯材を切って貼り付けます。強度が欲しかったので、紙の目を互い違いにして2枚貼りました。
(紙の目というのは、紙が折れ曲がりやすい方向のことです。小さい頃折り紙の本で知りました)
先ほど漉いた部分に、台形に切った芯材を貼り付けます。反対側も同じように貼ります。写真には写ってませんが、裏面には持ち手を接着する目印の線を引いてます。
後から側面の縫い代を挟み込みたいので、端の1〜2cmは接着剤をつけないようにします。
この時は物を入れるのに鞄の口を引っ張ることがあるかなと思い、紙の目を縦方向にしてみました。結果的に後の作業もしやすくて良かったです。
一つ前の項目で持ち手に印をつけた所から端までを、接着剤が付きやすくなるようやすりがけします。
写真では薄くて少し見えづらいですが、芯材に引いた線を頼りに持ち手を貼り付けます。持ち手の境目の線は見えなくなってしまうので、マスキングテープをはみ出して貼って目印にしました。
今の時点で全体はこんな感じです。
縫い代5mmほどで縫い穴を開け、持ち手を縫ったところです。
穴を開けた時点で、外に縫い目が響かないように芯材の模様のある側を少し彫っておき、縫った後に糸をローラーで潰してみました。どれぐらい効果があったかは、今となってはわからないです笑
外袋全体の接着・縫い合わせ
いよいよ外袋を仕上げます。まずは、台形の芯材を内側に折り込んで全体を接着します。革と芯材の厚み分、少し芯材を切って寸法を調整しました。
前もって開けておいた穴に合わせて、底の短辺から縫っていきます。内側に引っ張りつつ縫うので、かなり力が要ります。
側面も同じようにして上まで縫っていきます。
できあがり
外袋完成です!
この時点で鞄の形は大体できるので、かなり達成感がありました╰(*´︶`*)╯
今回のやり方は、外に縫い目を出さないように外袋を作るにはどうしたらいいんだろう…と試行錯誤して考えた独自の方法なので、もっと効率の良い方法があれば是非教えていただきたいです!笑
次回は内袋を作ります!引き続き見てくださると嬉しいです(^^)/
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